ビタミンC(アスコルビン酸)とはどんな物質?

我々人間やサルはビタミンCを食事から摂取する必要がありますが、多くのほ乳類は自分の体内でビタミンCを合成しています。ビタミンCは熱に弱い事がわかっていますので、加熱した食品や加工食品からこれを摂取する事が困難となります。
そのため新鮮な野菜や果物から摂取する必要がありますが、毎日十分な量を摂取できているでしょうか。
サルは1日7グラムのビタミンCを食事で摂取していることが知られています。
癌治療におけるビタミンCの研究

末期癌患者(200人)に点滴とサプリメントでビタミンCを投与すると生存期間が対照群に比べて4.2~6倍延長すると報告しました。
2005年には、アメリカ国立衛生研究所(NIH)を中心とするグループが「薬理学的高濃度のアスコルビン酸は選択的にガン細胞を消滅する:組織に過酸化水素を運ぶプロドラッグとして」(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16157892)を発表。
高濃度ビタミンCによってがん細胞がアポトーシスに誘導されることが示されました。
高濃度ビタミンC点滴療法の世界的治療研究機関であるアメリカのリオルダンクリニック(https://riordanclinic.org)では、これまでに数多くの高濃度ビタミンC点滴治療を行い、癌浸潤の要因である血管新生を、ビタミンCが阻害することを発表しています(https://europepmc.org/abstract/med/20150992)。
当院での高濃度ビタミンC点滴治療

癌治療術後の健康維持や化学療法の副作用抑制など効果が期待されています。
標準治療との併用が推奨されています。
また海外では健康意識の高い方の健康増進にも役立っています。
高濃度ビタミンC点滴療法(IVC)のはたらき
そこでビタミンCを点滴で血管内に注入することでどのような効果が得られるかを示した研究が、前述したアメリカNIHのグループによる研究で示されました(http://www.pnas.org/content/104/21/8749)。
高濃度のビタミンCは、がん細胞周囲に過酸化水素(H202)を発生させます。過酸化水素はオキシドールや漂白剤の成分として有名で、強力な殺菌作用を持っています。
正常細胞ではカタラーゼという酵素が働いて過酸化水素を分解し無毒化しますが、がん細胞ではカタラーゼの働きが弱くがん細胞は死滅(アポトーシス)してしまいます。

PNAS | May 14, 2007 | vol. 104 | no.21 | 8749-8754
高濃度ビタミンC点滴療法中は、ビタミンCの血中濃度を高く保つことが重要です。
点滴と点滴の間にビタミンCの血中濃度はどんどん低下していきますので、その低下を極力抑える意味でビタミンCのサプリメントも必要です。
ビタミンCサプリメントとして水溶性ビタミンであるビタミンCの吸収率を高める様にデザインされた、リポ化ビタミンCが推奨されています。
対象の方
- 有効な治療法がない
- 抗がん剤の副作用が強すぎる方
- 現在がん治療中の方
- 闘病中でQOL(生活の質)を向上させたい
- 再発を予防したい
- 腫瘍の大きさを小さくしたい
※留意事項
脱水のある方は医師との相談が必要です。
治療の流れ
美容目的の方は1回から行うことも可能です。
1度おこなってみたいという方は、カウンセリングの際にお話しくださいませ。
投与期間:1クール(3ヶ月)
点滴間隔:週1-2回 1クールから
料金表
点滴内容 | 点滴時間 | 金額 |
---|---|---|
ビタミンC 12.5g | 約50分 | ¥11,000 |
ビタミンC 25g | 約50分 | ¥15,400 |
ビタミンC 50g | 約60-75分 | ¥22,000 |
ビタミンC 62.5g | 約75-90分 | ¥25,300 |
ビタミンC 75g | 約90-105分 | ¥28,600 |
ビタミンC 100g | 約120-150分 | ¥37,400 |
G6PD検査料¥11,000
院内血液検査料¥2,000
ビタミンC血中濃度測定検査料¥3,300
※その他別途、検査料金・カウンセリング料等がかかる場合がございます。
カウンセリング料(15分)¥4,000
副作用について
まれに、IVCによって腫瘍の壊死・出血・発熱をきたすことがあります。回避する意味でも当院では初回は12.5gからの治療とさせていただいております。
腎機能障害の既往のある方で腎不全の可能性があります。ごくまれに、腎にシュウ酸カルシウム結石が形成されることがあります。
まれに、G6PD欠損賞による溶血発作がおこることがあります。そのため、当院では初回に全例G6PD検査をさせていただいております。ご了承くださいませ。
腹水やうっ血性心不全、長期透析、浮腫がある方は症状がひどくなる可能性もございますので医師との相談が必要となります。
血中浸透圧の低下による脳圧の低下による。空腹や脱水状態で起こることがあります。治療中は当院でも、お飲み物・ドライフルーツなどをご用意しておりますが来院前にはなるべくお食事をしてからお越しくださいませ。お好みのものがございましたら、ご持参いただきましても構いません。
静脈の攣縮、圧迫によるうっ血により血管痛が出る場合がございます。痛みがございましたら、痛みを和らげるお薬の追加や温めたりなどの対応もございますので遠慮なくお声がけくださいませ。
インスリンの過剰分泌と推測されています。予防いたしまして、ドライフルーツなどもご用意しております。もしお好みのものがございましたらご持参いただき、治療中にお召し上がりいただくことも可能です。
注射部位での感染のリスクもまれですが、可能性があります。
文献:PNAS | September 20,2005 | vol. 102 | no. 38 | 13604-13609
※超高濃度ビタミンC点滴療法は健康保険の利かない自由診療です